妊娠していると知らずにCTやレントゲンを撮影してしまった…
歯科用のCTやレントゲンは、医科用レントゲンと比べて撮影範囲が狭く、腹部から離れています。また、放射線量も少なく、胎児の健康への悪影響はないとされています。妊娠に気づかず歯科医院でCTやレントゲン検査を受けたからといって、心配する必要はありません。
ただし、妊娠が分かった時点、あるいは妊娠の可能性がある段階で、必ず歯科医院にその旨を伝えておくようにしましょう。
妊娠していると知らずに治療・抜歯してしまった…
歯を削ったり、詰め物や被せ物を取りつける治療は、妊娠中でも問題なく受けていただけます。ただし、お母様の体調、仰向けの姿勢を維持する辛さ、つわりなどを考慮して、妊娠が分かっている場合には、上記のような本格的な治療は妊娠中期や出産後に行うことが多くなります。抜歯も同様です。
妊娠していると知らずに麻酔をしてしまった…
歯科治療で使用される局所麻酔についても、胎児の健康に悪影響を及ぼすことはないとされています。むしろ、痛みを我慢するストレスの方が、母体や胎児への負担となるという意見もあるほどです。ただし、笑気麻酔については、胎児の健康への影響が指摘されています。
もし妊娠中に笑気麻酔をした場合には、担当の産婦人科医にご報告ください。
妊娠の可能性がある場合には事前にお伝えください
上記の通り、治療の内容によっては、胎児の健康への影響が生じる可能性があります。またそうでなくとも「気づかずに受けてしまった」ことで、お母様・お父様がご不安になることがあります。妊娠している場合はもちろんですが、妊娠の可能性がある場合も、歯科医院を受診するときには必ず事前にその旨をお伝えくださいますようお願いします。
お腹の赤ちゃん、そしてお母様の心身の健康に配慮した診療をいたします。
妊娠中のCT・レントゲン・治療・麻酔についてのQ&A
治療後の処方された抗生物質を飲んだあとに、妊娠に気づきました。赤ちゃんへの影響はありますか？
妊娠中には使用できないとされる抗生物質もあります。必ず影響があるとは言えませんが、抗生物質の種類を確認し、担当の産婦人科医にご相談ください。
妊娠中に歯科医院を受診するとき、気をつけることはありますか？
まずはご予約や受診の際に「妊娠していること・週数」と伝えてください。基本的にそれができれば、あとは適切な対応をしてもらえます。ただ「この検査・薬は大丈夫なのかな？」と不安になったときには、その都度確認するとよいでしょう。そういったことを気軽にきける、かかりつけ医を持っておくことも大切ですね。
また、産婦人科の先生に「今度歯科医院に行きます」と伝えておくと、アドバイスが受けられるかと思います。
笑気麻酔は、お腹の赤ちゃんにどのような悪影響があるのでしょうか？
必ず悪影響があるというわけではありませんが、妊娠初期の笑気ガス使用には、催奇形作用（妊娠中の投薬によって奇形の可能性が発生すること）が報告されています。
前の子がお腹にいるとき、虫歯になってしまいました。妊娠中の虫歯を防ぐ方法はありますか？
ホルモンバランスの変化、唾液の質の変化、つわりによるブラッシングの不足などによって、妊娠後は虫歯や歯周病などの口腔トラブルが起こりやすくなります。
妊娠前に歯科医院を受診して、お口の中のクリーニングを受けておきましょう。きれいなお口で妊娠を迎えることができれば、虫歯・歯周病のリスクは低くなります。またその後も定期的に歯科医院を受診し、予防と早期発見に努めることが大切です。
