歯磨き指導

歯磨きの目的は?

歯磨きの重要性

歯磨きの目的は大きく分けて二つあります。

一つ目は、虫歯菌の塊である食べかすや歯垢を除去するという目的です。

歯垢は歯と同系色の乳白色で、肉眼で見極めるのは困難な場合も多いです。
また水に溶けにくい性質をもち、歯の表面に粘着してしまいます。
うがいで洗い流すこともなかなか困難なため、お口の中に残りやすいです。
食べかすや歯垢は、虫歯だけでなく口臭の原因にもなります。
その観点からも、日頃の丁寧なブラッシングがとても重要です。

二つ目は、歯ぐきのマッサージです。

ブラッシングによって歯ぐきをマッサージすることで血行が良くなります。
栄養が行き渡り、細菌への抵抗力を強められます。

以上のような目的を果たすためにも、日々の歯磨きはとても重要です。
しかし、ただ闇雲に歯磨きをすればいいというわけでもありません。

歯磨きで重要なのは、まずはお子様の口のサイズに合う歯ブラシを選ぶことです。
適していない歯ブラシを使い続けると、歯の状態を悪くすることになります。
選び方がわからない、迷ってしまうという方は、遠慮なく当院の歯科衛生士にご相談ください。

歯の状態が悪いと、かみ合わせや姿勢不良などの問題を誘発させるリスクもあります。
今一度、お子様の歯磨き(仕上げ磨き)について見直してみてください。

歯磨きポイント1歯医者さんおすすめの歯ブラシの種類と選び方

歯医者さんおすすめの歯ブラシの種類と選び方歯ブラシには、さまざまな形、サイズ、毛の硬さがあります。
下記の歯ブラシの特徴を参考に、お子様に適した歯ブラシを選んでみてください。

毛の硬さ

歯ブラシの毛が硬すぎると、毛先が歯の隙間まで届きにくので、普通の硬さがおすすめです。
歯ぐきに炎症などがみられる際は、症状が落ち着くまで毛が柔らかいタイプを使用しましょう。

ブラシ幅

ブラシ部分が大きすぎると、奥歯の隙間まで磨きにくいです。
ブラシ幅は、小さめのタイプがおすすめです。

毛先

毛先が平らにカットされているタイプは、幅広いお口に適合しやすいです。

持ち手・持ち方

ブラッシング時の歯ブラシの持ち方は、鉛筆を握るようにします。
持ち手はまっすぐの方が、握りやすいのでおすすめです。

交換の頻度

歯ブラシは、毎日使うものです。次第に毛先が開いて磨きにくくなります。
毛先の開いた歯ブラシでは、汚れもきちんと落とせません。
せっかくしっかりとブラッシングしても、歯ブラシの効果は薄れてしまいます。
徐々に汚れも付着してきますので、「一ヶ月に一度」を目安に新しい歯ブラシへ交換するようにしましょう。

歯磨きポイント2正しい歯の磨き方(ブラッシング)

正しい歯の磨き方(ブラッシング)歯並びに合わせて、1箇所20回以上を目安に磨きましょう。

ポイント①毛先を歯の面にあてる

歯ブラシの毛先を、歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間にきちんとあてます。

ポイント②軽い力で動かす

歯ブラシの毛先が広がらない程度の軽い力で動かします。

ポイント③小刻みに動かす

動かす幅は5〜10mmほどで、小刻みに1〜2本ずつ丁寧に磨きます。

奥歯や歯の裏側など、歯ブラシが届きにくい部分はとくに注意して磨きましょう。
少し工夫すると、磨きやすくなります。

工夫①でこぼこな歯並び

でこぼこしている前歯は、歯ブラシを縦にあてて上下に毛先を動かし、一本ずつ磨きましょう。

工夫②背の低い歯

背の低い奥歯は、歯ブラシを斜め横から入れて小刻みに細かく動かして磨きましょう。

工夫③歯と歯ぐきの境目

歯ぐき(歯肉)に対して、45度の角度で毛先をあて、5mm幅程度で動かして磨きましょう。

こんなところに歯垢が残りやすい

歯垢(プラーク)は、

  • 歯と歯の間
  • 歯と歯ぐきの境目
  • かみ合わせの面

に、付着しやすい傾向があります。

さらに、

  • 奥歯のかみ合わせの面
  • 歯並びで、でこぼこしているところ
  • まだ生えている途中の歯

などは、磨き残しが多く歯垢は残りやすい傾向にあります。

歯ブラシの毛先がしっかりと届くことを意識して、注意しながら磨きましょう。
磨き残しが多くなりがちな歯は重点的に磨き、さらに磨く順番を決めておくと、磨き残しが軽減されます。

歯磨きポイント3歯磨きのタイミング

歯磨きのタイミング食後のお口の中は、酸性濃度が高い状態にあります。これは食べ物に含まれている糖を細菌が分解し、酸を作り出すためです。酸によって歯のエナメル質が溶けやすくなるため、この時に歯磨きをしてしまうと歯の表面がすり減ってしまうリスクがあります。食後30分〜1時間ほどで、お口の中が中性に戻ります。
このタイミングで歯磨きをするとよいでしょう。

食後8時間ほど経過すると、歯にはバイオフィルム(歯垢などの細菌)が付着します。
お口の中はネバネバとぬめりのある状態になります。そのため、歯磨きによって、バイオフィルムを除去することが必要です。時間が経過しすぎてしまうと、さらに頑固に歯へ貼りつきます。

歯磨きを朝と晩の2回しか行わない場合は、12時間近く空いてしまいます。
バイオフィルムを防ぐためにも、毎食後の歯磨きを心がけましょう。
特に就寝中は、唾液の分泌量が減少し、細菌が増えやすい環境になります。
就寝前の歯磨きは必ず行いましょう。

歯磨きポイント4歯磨きの回数

歯磨きの回数については、歯垢が残りやすい毎食後に1回、合計1日3回が理想です。
難しい場合は、朝・夜の1日2回でも構いません。
また、朝起きてすぐの歯磨きもおすすめです。
就寝中に溜まったプラークを磨き落とせるため、口臭の予防にも有効です。

歯磨きポイント5歯磨きの時間

一般的な、歯磨きの所要時間として推奨されているのは、毎食後に「3分間」です。
生えそろったすべての歯の汚れを落とす場合は、丁寧にブラッシングをすると3分ほどかかります。
毎食後3分間磨くのが難しいという方も多いと思います。
一日のうちに歯磨きを行うのが1回や2回だとしても、その1回にしっかりと時間をかけて丁寧に歯磨きをしていれば、虫歯や歯周病の予防につながります。

歯磨きポイント6仕上げ磨き

仕上げ磨き乳歯の時期は、虫歯になりやすい箇所を理解しながら、注意して仕上げ磨きをしましょう。

  • 奥歯のかみ合わせ上下左右4箇所
  • 上の前歯

は、磨き残しが多くなりがちです。

お父様・お母様の利き手側の犬歯も、ブラッシングがしにくい位置にあるため、注意が必要です。
毎食後の仕上げ磨きが難しい場合は、おやすみ前の仕上げ磨きだけでも習慣化してください。
寝ている間は唾液の量が減少し、細菌の量も増加します。

歯磨きだけでは取れない歯垢・歯石は定期検診で

歯磨きだけでは取れない歯垢・歯石は定期検診でご自宅での歯磨きで落とし切れる汚れは、約60%程度といわれています。
朝晩、ご自宅で仕上げ歯磨きをしても、家の外で(幼稚園・保育園・学校など)昼食をとったあとは、歯を磨けない場合も多いと思います。

食後の食べかすや汚れは約8時間で歯垢(プラーク)ができます。次に歯磨きをするまでの間に、歯垢はどんどん蓄積してしまいます。歯磨きで落としきれない歯垢は、唾液中に含まれるカルシウムと結合し石灰化して歯石に変わります。歯垢が歯石になるまでは約48時間です。
歯石の形状はデコボコとしているため、さらに歯垢が付着しやすくなります。
歯石は歯の表面だけではなく、歯ぐきの中にもできてしまいます。
歯磨きだけでは落としきれません。専用の機械を使用して、歯石除去が必要です。

このように、歯磨き(仕上げ磨き)だけでは落としきれない歯の汚れが、虫歯への進行リスクを高めます。
定期検診でしっかりと口腔ケアを行うことは、お子様の歯の健康を守るためにとても大切です。
継続的な歯科検診で健康状態をチェックしていきましょう。

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